いわゆる正社員と非正規雇用の労働者との働き方の二極化を緩和し、労働者一人ひとりのワーク・ライフ・バラ
ンスと、企業による優秀な人材の確保や定着を同時に可能とするような、労使双方にとって望ましい多元的な働き
方の実現が求められています。そうした働き方や雇用の在り方の一つとして、職務、勤務地、労働時間を限定した
「多様な正社員」の普及を図ることが重要となってきています。
こうした中、厚生労働省においては、「多様な正社員」の採用から退職に至る雇用管理をめぐる様々な課題への対応
を検討し、有識者による懇談会において議論を重ね、平成 26 年7月 30 日に労使等関係者が参照することができる
「雇用管理上の留意事項」を公表しました。
「多様な正社員」が、労使双方にとってより良いものとなるよう、雇用管理上の留意事項や企業での活用事例を
周知し、普及を図っています。
また、平成27年度には、「多様な正社員」及び労働契約法に定める「無期転換ルール」について、企業での制度
導入支援を支援するツールとして、「多様な正社員」及び「無期転換ルール」に関するモデル就業規則(飲食業・小
売業)を作成しました。
さらに「多様な正社員及び無期転換ルールに係るモデル就業規則と解説」の全業種版も作成し、令和6年に改訂
を行いました。
その改訂後の全業種版はこちらです。
<(全業種版)多様な正社員及び無期転換ルールに係るモデル就業規則と解説(2024.1)>
https://www.mhlw.go.jp/content/001189098.pdf
〔確認〕上記の URL が掲載された「多様な正社員」のページはこちらです。
飲食業版・小売業版のモデル就業規則と解説なども確認することができます。
<多様な正社員>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/tayounaseisyain.html
■多様な正社員とは
一般的に、正社員は、①労働契約の期間の定めがない、②所定労働時間がフルタイムである、③直接雇用である者を
いいます。多様な正社員とは、いわゆる正社員(従来の正社員)と比べ、配置転換や転勤、仕事内容や勤務時間など
の範囲が限定されている正社員のことを指し、限定の内容(勤務地、職務、勤務時間)を組み合わせることで、企業
の実情に応じたバリエーションが広がります。
◆勤務地限定正社員:転勤するエリアが限定されていたり、転居を伴う転勤がなかったり、あるいは転勤が一切な
い正社員
◆職務限定正社員:担当する職務内容や仕事の範囲が他の業務と明確に区別され、限定されている正社員
◆勤務時間限定正社員:所定労働時間がフルタイムではない、あるいは残業が免除されている正社員
◆いわゆる正社員:勤務地、職務、勤務時間がいずれも限定されていない正社員
たとえば、多様な正社員の例として
・全国転勤のない営業職
・ディーラーなど、特定の職務のスペシャリスト
・限定された店舗で働く販売スタッフ
・短時間勤務(1日6時間程度)の事務職
等が挙げられます。
【労務】「(全業種版)多様な正社員及び無期転換ルールに係るモデル就業規則と解説」を改訂
現在、多様な正社員を導入・運用している企業は約5割に達していますが、その理由として「優秀な人材を確保する
ため」や「従業員の定着を図るため」、「仕事と育児や介護の両立(ワーク・ライフ・バランス)支援のため」等が挙
げられています。
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